最強の美少女スケーターたちへ4 宮原知子 ~「サユリ」と「蝶々夫人」で日本の美をフィギュアスケートに文化翻訳

宮原知子(19歳)は「ミス・パーフェクト」とも「努力の天才」と呼ばれていた。どちらにしても優等生タイプだが、ロシアの最強天才少女たちに匹敵する実力を備えている。浅田真央とは異なりルッツ・ジャンプが苦手でないので、着実に高得点を確保することができる。また、スピンは現役女子シングル選手の中でもトップレベルの出来であり、美しく多様性豊かな回転を見せてくれる。彼女は「努力」の面が強調されることが多く、実際に相当な努力家なのだろうが、それ以前に才能にも恵まれていたことも事実だろう。そしてなかなかの美少女である。ところが「努力」のキャラクターが擦りこまれ、「天才」ではなく「秀才」と定義されてしまったせいか、彼女が生来備えている美しさに注目が及ぶことはあまりない。

ところが、パーフェクトな秀才、日本女子シングルのエースだった彼女にも危機が訪れた。2015_Grand_Prix_of_Figure_Skating_Final_Satoko_Miyahara_IMG_8630股関節の疲労骨折という努力の過剰が招いたような故障をきたし、休養を余儀なくされたのだ。かつてグレイシー・ゴールドが同じ理由でGPファイナルを欠場してから低迷が続いていることからも、復帰は決して容易でないことは想像がつく。エース不在の影響は大きく、この間に登場し急成長を遂げた三原舞依の活躍もあったが、結局日本は女子シングルの出場枠を3から2に減らしてしまった。

しかし、宮原は、1シーズンの休養後、見事に復帰を果たした。ジャンプでかつてはなかった回転不足を指摘されることがあり、課題を残しながらではあるが、GPシリーズアメリカ大会優勝、GPファイナル出場、日本選手権優勝の実績をあげ、エースの座を奪還するとともに、オリンピック代表の座を手にした。「ミス・パーフェクト」の完成度は戻ってきていないが、この機会に真面目な秀才という既成のキャラクターを超えた、彼女本来の魅力を発揮して欲しいと思う。身体的にはまだ最強レベルまでは回復していないようだが、それを補うに足りるメンタルの強さ、表現力の高さを彼女は備えている。

平昌オリンピックに臨むプログラムは、SPの「サユリ」、FS「蝶々夫人」ともに和もの。ステップシークエンスでは、日本舞踊フィギュアスケート文化翻訳、しかもステップで表現するという斬新な試みに挑み、所作や表情、抑制と勢いのある凛とした動きに日本的な美しさが宿っている。オリンピックで披露するに相応しいこれらのプログラムで、世界に向けて新解釈の日本の美、そして19歳の彼女の美しさを披露して欲しい。

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