至高の至高のスケーターが一堂に会するアイスショー、Fantasy On Ice を今年も堪能してまいりました。アイスクリスタル会員の最先行予約抽選に当選し、5月26日 幕張公演のプレミア席をゲット。FaOI生鑑賞はもう4回目ですが、私にとっては今回が最高!深めのクリティークは後にして、まずはジェネラル・レビューから。
最高の理由は、ジョニー・ウィアーの「The Swan」をこの目で観ることができたから。実はFaOI恒例のミュージシャンとのコラボレーションにはあまり期待していなかったのですが、今回は例外です。ヴァイオリニスト 宮本笑里さんの存在があって実現したプログラムかも知れないので、コラボレーション企画に感謝。ヴァイオリン生演奏で、フィギュアスケートの歴史を塗り替えた名プログラム、トリノ・スワンを当時のコス、振付で、当時より少しスレンダーになったジョニーが披露してくれました。
きっと誕生日の近い私のため、論文で賛美を捧げた私のため、バンクーバー五輪でエキシビション出場の署名をした私のため、著者を贈呈した私のため…ではないことはわかっているけど、ジョニーのスワンを生で観ることができたというだけで、今回のFaOIはもう最高!
と、第1部の中盤で感動で胸がいっぱいになってしまったのですが、もちろんお愉しみはそれだけではなく、今回はどのプログラムもクオリティが高く、エフゲニー・プルシェンコの「ニジンスキーに捧ぐ」は圧巻でした。昨年のFaOIでは「伝説のプログラム!!」と紹介されたので「ニジンスキー…」を期待。ところが登場したのは「Sex Bump」だったので、彼流のファンへの愛情表現と知りながら、微妙な後味を引きずりこの1年間を過ごすことに。それが今回、念願の「ニジンスキーに捧ぐ」を滑ってくれたので、すっきりクリアになりました。もしかして、私のため?
いつも感じるのは、プロ・スケーターたちは現役時代には競技ルールの縛りのない自由な表現で自分の世界観を極め、今なお進化しているということ。コレオグラファーとして大活躍のジェフリー・バトルが自らの振付で滑り、巻き起こした風に漂う幸福感。どの瞬間の魅惑的なステファン・ランビエールの世界も健在。鈴木晶子の「風の神の歌」は透明感の中にもワイルドな生命感に溢れ、氷の輝き、幻想的なライティングと一体となった独創的な世界を創りあげていました。
そして、現役スケーター達は、既に到達している完成度の高さにファンたちを驚嘆させつつ、成長を予感させる煌きを放っていました。演技派エフゲーニャ・メドベージェワの演技力を間近で観て共感できたのもすてきな体験。2プログラムとも清楚感のあるアイボリーの衣装で、いつになく繊細な洗練を漂わせていたハビエル・フェルナンデス。優雅さを極めた競技プログラムとは異なるアクティブでパワフルなパフォーマンスで沸かせたミーシャ・ジー。そして、華麗なトリプル・アクセルで復活を印象づけた羽生結弦。フィナーレで見せた可憐な笑顔は、競技やインタビューのときの緊張感に満ちた凛々しい顔とは別の、純粋にスケートを楽しんでいるときのもう一つの彼の素顔なのでしょう。
全員についてレビューしたところですが、深いことは稿をあらためて。競技中撮影禁止だったので、ひとまず休憩時間のリンクの写真のみ。
一瞬一瞬を見逃せない、贅沢な時間をありがとう! 次回はぜひ、和服でスーパープレミア席で。